1985〜1995年。昭和から平成へと移り変わるこの世代は、今までの常識に捕われない、新しい音楽性を確立したハイセンスなアーティストを生み出した。しかし数多の逸材が存在しながらも、その全てが一目に触れるとは限らない。そんな状況を打破するべく、関西のバンドが立ち上がった! “宇宙フェス”にて若き新進気鋭の次世代アーティスト達が、荒廃したこの星のミュージックシーンにビッグバンを巻き起こす!
●“宇宙フェス”は、“関西の同年代のバンドと何かをやりたい”、という思いから始まったんですよね。
粟子:同世代ってすごく良いバンドが多いるから、知られていないのがもったいないとずっと思っていて。“何かでっかいことがみんなで出来ないかな”と考えたのがキッカケですね。実は最初にその話を相談したのが、PURPLE HUMPTYだったんですよ。
井田:それが去年の春頃だったかな。居酒屋で飲みながら、「あのバンドは誘いたいよね」とか「良いバンド知ってる?」という感じで候補を挙げていきました。airlieは「バンドとアコースティックを入り交ぜてやりたい」って話をした時に、まっ先に候補として挙がってきたんだよね。
粟子:何度か一緒にやったこともあるし、頑張って活動しているのが伝わってきてたから、一緒にやりたいなと思って誘いました。
airlie:そんな風に思ってくださっていたなんて光栄です。直接そういう話を聞くのって初めてなので、嬉しいですね。
●他では観られないような組み合わせというのは、“宇宙フェス”の魅力のひとつですね。そこで、自分達以外の出演者についての魅力や好きなところをお訊きしたいと思います!
ココロオークション
airlie:初めてライブを観た時から“まっすぐなバンドだなぁ”と思いました。ステージから伝えたいものが、まっすぐに届いてくるのが良いですね。
井田:“めっちゃ良い声してるな”っていうのが第一印象。話して行くうちにメンバーの人柄も好きになりました。みんなエネルギッシュだし、メンバー全員がすごく仲が良いんですよ。
粟子:波長が合うというか、我ながらほわ〜んとしてるよね(笑)。
井田:“みんなで一緒になってやってるな”っていう感じが良いなって思います。
PURPLE HUMPTY
粟子:声や曲が良いですよね。若い世代では珍しい音楽をやっていると思います。ちょっとおっさんっぽいというか(笑)。
井田:誰がおっさんやねん! まだ21やし!
●あ、そんなに若かったんだ(ボソッ)。
airlie:“地球フェス”の時に初めて観たんですけど、すごく雰囲気があって一目惚れでした。会場の梅田Shangri-Laが夕暮れの海岸に見えましたからね。
粟子:その渋い感じがめっちゃ好きで。あまり騒いだり手を挙げたりするよりは、しみじみ聴けるような雰囲気ですね。映画のBGMに合いそうなバンドです。
THE ORAL CIGARETTES
粟子:オーラルとの出会いは鮮烈でしたね。その日別の会場でライブをしていたのにも関わらず、僕らの打ち上げ会場に乗り込んで来たんですよ。打ち上げのためだけに(笑)。あの時は“何かチャラチャラした奴が来たぞ”って感じでしたね。
●第一印象が”チャラい“って(笑)。
粟子:でもしゃべってみると、結構みんなしっかりしてて。めっちゃ考えながら活動しているし、音楽もどことなく知的なんですよ。
井田:ライブ力も高いし、男気を感じる。
airlie:“宇宙フェス”の出演者の中でも、お客さんのテンションの上げ方が上手いですよね。
TearSmilo
井田:ギターロックバンドなんですが、浮遊感のある空間系な曲もあれば、バシッと激しいものもある不思議なバンドかな。でも、どの曲もリズムがすごく気持ち良い。
粟子:うんうん。人間的には、Dr.田中っていう奴がめっちゃ面白いんですよ。
井田:外国人みたいな奴なんです。
粟子:でも、会議には一番熱心に来てくれて。尼崎に住んでいるはずなんですけど、毎日大阪にいるんじゃないかってくらいよく会ってます。いつもMac片手に作業してくれるので、付いたあだ名が“サイバー田中”という。
●どんな人なのかすごく気になります…(笑)。
Brian the Sun
粟子:実は“宇宙フェス”で初めて対バンさせてもらうんですよ。音楽はとにかくカッコ良くて、男が憧れるロックという感じ。
airlie:結構付き合いが長いんですけど、純粋にファンです。難しいことを考えなくても、ライブを観ていると直感的に“カッコ良いな”って思えるバンドなんですよ。
●リフやメロディも、“どうすれば思いつくんだろう”っていうくらいセンスが良いですよね。
airlie:演奏も上手いし、凝ったことをしているのにキャッチーなのがすごい。
Scenarioart
粟子:パープルは映画に合う音楽っていう感じだけど、Scenarioartは音楽そのものが映画っぽい。
井田:ライブもストーリー性があって、「次のお話は」って言って曲が始まるんですよ。ひとつひとつが物語みたいなんです。
●まさに名が体を表してますね。
粟子:あとは、Dr.クミコちゃんの歌が魅力ですね。16ビートを刻みながら歌うのがめっちゃカッコ良いんですよ。しかも上手い。
●ドラムで女性ボーカルって反則級にカッコ良いと思います。
KIDS
粟子:KIDSはお兄ちゃん的存在。ちょっとやんちゃなお兄ちゃん達が奏でる良い音楽って感じで、キャッチーだよね。ただ、音楽は全然子どもっぽくはないですけど(笑)。
井田:すごく沁みる歌だよね。
●不思議と説得力があるというか。
粟子:ライブはお客さんと一緒になって、みんなで作り上げるタイプですよね。人に寄り添うというか、みんなで楽しむ感じ。
airlie:やんちゃな面の裏側を音楽で出しているのかも。
airlie
井田:結構前にライブを観たんですけど、今どうなっているか楽しみですね。airlieも情景系で、景色が浮かんでくる曲。
粟子:聴いていると胸がギュッとなるような切なさがある。
井田:秋っぽいセンチメンタルな感じがあるよね。
粟子:そうそう。音楽も人もすごく大人びていて、実年齢より上に見える。
●出演者の中では最年少の19歳だそうですね。
粟子:彼女が歌うだけで場の空気がしっとりとしたものに変わるんですよ。今回の出演者は、そういうアーティストが多いです。
ひらたゆうや
井田:来た!
粟子:軽トラ要員!
●どういうことですか(笑)?
粟子:「当日の機材搬入はどうしよう?」って話してる時に、「ひらたなら軽トラを持ってるぞ」と。彼とは高校時代からの付き合いで、「機材を運んでもらうかわりに出てもらおうか」みたいな冗談を交えつつ決まりました(笑)。愛されキャラなんですよ。
井田:気付いたらひらたの話してたりするもんな。音楽はストレートにいろんな人に届くような歌です。
粟子:人間臭さが出ているというか。MCもすごく面白くて笑かしてくれるんですけど、顔はイケメンという。
●キャラ的にすごくオイシイですね。
メロディーキッチン
粟子:“ここでこういう音が欲しい”とか“ここでこういうメロディーになったらいいな”っていうツボをピンポイントで押えてくるんですよ。でも、やってることは結構マニアックで。
●マニアックというと?
粟子:例えばコードにしても、“add9”や“sus4”といった一般的なものだけじゃなく、“6”や“dim”みたいな珍しいものを上手く使っているんですよ。それをポップに聴かせられるのは、ほんまにすごいと思います。
airlie:Vo.アイコさんとPf.はすみさんの良い所が、いつでも全面に出ているんですよ。2人で出来る最大限の表現をやっているイメージです。
吉田このみ
井田:僕は地元のライブハウスで良くご一緒させてもらったので、昔から仲が良いんですよ。元気をもらえる歌を歌う人です。曲もポジティブなものが多いし、人柄も良い意味で大阪っぽい。
●可愛らしい見た目と、力強さとのギャップが良いですよね。
井田:悩みとかも相談したくなっちゃうような包容力がありますし、歌にもそれが出ていると思います。メロディーキッチンさんとは違った意味でポップですね。太陽みたいな人。
airlie:実は、前からいろんな人達に「airlieは吉田このみさんと一緒にやってみた方が良いよ」ってアドバイスを頂いていたんですよ。私にはない要素をいっぱい持ってはるので、いろいろ勉強させていただきたいです。
●改めて見ると、本当に濃い面子ですね。それに野外イベントでDJの方がいらっしゃるのも、ちょっと新鮮です。
井田:アコースティックもバンドもDJもある、フェスっぽいお祭り感が楽しんでもらえたら良いなと思って誘いました。
●ちなみに、もし純粋に自分がお客さんだったら、どんなところに注目して観たいですか?
粟子:普段はライブハウスで観ているバンドばかりだから、野外ならではの特別感が楽しめそうですね。あとはツイッターと連動企画をしているので、それに参加するのも面白いと思います。スペースフードと称した屋台もあるし、学生さんは学生証提示でチケットが1000円になりますしね。
●11アーティストが観れて2000円というのも相当安いですが、学生だとさらに1000円引きなんですか! 最後に、当日に向けておひとりずつコメントをどうぞ!
粟子:やっぱり長い構想期間を経てようやく実現しようとしている大イベントなので、一人でも多くの人に来てほしい。“宇宙フェス”は、これから火がつくだろうアーティストを、今のうちに同時に観れる場だと思います。お気に入りのバンドを見つけてもらって、応援してもらえたら嬉しいですね。全バンドが絶対に良いライブをしてくれる確信がありますし。
airlie:全アーティストが同じ思いで作り上げるイベントってなかなかないし、ミーティングを重ねるたびに愛情が増しているから、当日はすごく感動的な1日になると思います。きっとその日にしか味わえない気持ちがありますよ。
井田:“宇宙フェス”を通じて、関西の音楽シーンがもっと面白くなるんじゃないかという期待を込めているので、それをたくさんのお客さんと共有できたらと思います。この日を境に何かが変わることを信じて、最高のイベントを作り上げたいですね。
Interview:森下恭子
“宇宙フェス”
2013/04/20(土)@服部緑地野外音楽堂
OPEN 12:00 / START 12:30 【チケット】¥2,000 [学割] ¥1,000
【MAIN STAGE】ココロオークション / PURPLE HUMPTY / TearSmilo / THE ORAL CIGARETTES / KIDS / Brian the Sun / Scenarioart
【ACOUSTIC STAGE】ひらたゆうや / メロディーキッチン / airlie / 吉田このみ(O.A.)
【SPACE DJ】DJ SHIGE(onion night)
http://uchuu-fes.com/