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PLAGUES

鮮烈な“今”を輝き続けるロックバンド、その凄まじき熱量を放つ圧巻のライブ

DSC_2142PLAGUES TOUR 2012 “CLOUD CUTTER”
2012/11/25@渋谷WWW

 

 

 

 

1年ぶりとなるオリジナル・ニューアルバム『CLOUD CUTTER』のリリースで、ファンを狂喜させたPLAGUES。新作はかつてのサウンドの単なる再現などではもちろんなく、そこから進化を遂げた“今”の音が強烈に鳴り響いていた。2010年に全曲新録によるベストアルバム『OUR RUSTY WAGON』で再始動を果たして以降、何度か行われていたツアー等に足を運んだ人にはわかるだろう。今のPLAGUESがライブで放っている、凄まじいまでの熱量を。新作からもはっきり伝わってきたそれを体感するべく、ツアーファイナルの渋谷WWWへと向かった。
ぎっしりと詰まった客席の期待感も高まる中でステージ上にメンバーが登場し、いよいよライブがスタート。ソリッドに研ぎ澄まされたギターリフから1曲目の「Silver chips」が始まると、一気にテンションが激アガリする。60〜70年代のロックがルーツにあることを感じさせながらも、ここで鳴らされている音は確実に今でしかありえないものなのだ。ヴィンテージな匂いを漂わせているが決して古臭くなく、それどころか新しい。こんなサウンドを生み出すことができるバンド/アーティストが果たして今の日本にどれだけいるだろうか? この時代においても、PLAGUESは突き抜けた存在であり続けている。
…と冒頭からいきなり圧倒されてしまったが、それに続くのは「トリシュナ」「スノードームの白熊」という新作からの2曲だ。新旧問わず、PLAGUESの楽曲はイントロの破壊力が半端じゃない。どの曲もイントロを聴いただけであっという間に心を掴まれ、持っていかれてしまう。「New horizon」では最初の歌い出しが始まった瞬間、客席から思わず嘆息が漏れる。続くMCでは、この日が今までで一番長いライブになることを宣言。まだ5曲が終わったところだが、ここからどれだけの名曲が繰り出されていくのかと期待がさらに高まっていく。次の「パッキャマラード」からは「Abri」「新世界」「前兆を待つ」という4連発で、新作の楽曲がライブでも抜群の威力を発揮することを実証してみせた。
2013年には20周年を迎えるPLAGUESだが、それに合わせて3月にリテイクベスト盤の第2弾リリースと20周年記念ツアーを行うことを発表! いつもライブに来てくれる人たちがいるから20年も続けられたという感謝を伝えるMCから、応援してくれる人たちに向けた曲という「Special one」を披露する。初期の名曲「Wonder wonder」からの終盤戦は畳み掛けるようにアッパーなキラーチューンを連発し、本編ラストの大名曲「Spin」まで一気に駆け抜けていった。もちろんこんなもので終わるはずがないとアンコールを求める声に再度登場すると、「ヴィルヌーヴに憧れて」から始まり3曲を演奏。2回目のアンコールでは2曲、そしてトリプルアンコールでは「眠っているのなら」でゆったりとシメて全28曲・2時間以上にも及ぶライブは幕を閉じた。
史上最長のライブとなったこの日も演る側/観る側ともに全く集中力を切らせることのない、圧巻のパフォーマンスを見せつけたPLAGUES。上昇し続けている熱量は20周年を迎える今年、いったいどこまで到達するというのだろうか。予測もつかないが、期待以上の歓喜がもたらされることは間違いないだろう。2013年もさらなる進化を続けるPLAGUESの姿を、まずは3月の20周年記念ツアーで目撃するべきだ。そこには鮮烈な“今”を輝き続けるロックバンドの最新型があるのだから。

TEXT:IMAI

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