ジャングルライフ

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鴉

熱気に満ち溢れた“密会”の場を包み込んだ温かな光の輪

2010/6/19@下北沢SHELTER
鴉・ワンマンライブ2010〜密会 in 下北沢〜

インタビュー

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 梅雨時の蒸し暑い空気の中、下北沢SHELTERの入り口階段付近には開演直前まで長い列ができ、外とは別の熱気を放っていた。会場内に入ると既にフロアを埋め尽くした人、人、人。この日のライブを待ちわびていたオーディエンスの期待が目に見えるような、熱い空気が会場内に充満している。“密会”と名付けられた、鴉のワンマンライブに集まった大勢の観客たち。そのイベント名とは裏腹に彼らの想いは全く密やかではないほど、ステージ上にまもなく現れる3人に向けられていた。
 鴉のメンバーがステージに登場すると、その想いは大きな歓声となって現われる。いきなりボルテージを爆発させんばかりのオーディエンスをなだめるように、1曲目は穏やかな展開から始まる新曲を披露。1曲目からいきなり新曲という予想外のスタートに一瞬たじろぐが、うれしいサプライズに胸が高鳴っていくのを感じる。穏やかな曲調の中でも、時にエモーショナルに歌い上げる近野(G./Vo.)の歌が会場を鴉にしか作り得ない特別な空気へと変えていった。続く「時の面影」からはファンにはお馴染みのアッパーなナンバーを激しいプレイと共に、立続けに畳み掛けていく。気付けば、あっという間に会場は熱気の渦に巻き込まれていた。
 エッジの利いたソリッドな演奏に加えて、スリリングな曲展開と聴く者の心をえぐるような歌詞。どちらかと言えばダークな印象を感じさせる鴉の楽曲だが、この日のライブを観ていて強く感じたのは“優しさ”や“光”だった。ストイックに自らの音を研ぎ澄まし、魂を込めた歌と共に全力でぶつけてくる彼らのライブ。だがそこに漂う空気は決してサディスティックなモノではなく、不器用さの中にも優しさや温かさを感じさせるモノなのだ。曲間のMCでも言葉は少ないながらも、集まった人々への感謝の気持ちと彼らの人柄が伝わってきた。周囲を見渡せばライブを心から楽しみ、鴉を心底愛していることが明白にわかる表情を浮かべた観客の顔が並ぶ。ステージ上の3人とオーディエンスが一体となって作り上げる、鴉のライブは温かな光の輪に包まれているかのようだ。
 中盤には、8/11にリリース予定のシングル曲「黒髪ストレンジャー」を披露。ジャジーなイントロを彼ららしい緊張感溢れるスリリングなプレイで見せつけ、早くもファンの心を掴んでいた。同シングルに収録される「夏色」をアンコールで演奏した他、この日は1曲目以降でもところどころに新曲を挟む。そのいずれもが過去にリリースした音源と同様か、それ以上のクオリティで耳を惹き付けるので観ている側も一瞬たりとも集中力が途切れない。本編、アンコールと時間が過ぎるのを早く感じるほどに充実感が漂うライブだった。
 鳴り止まない観客のコールに応えて、最後の最後に演奏されたのは「帰る場所」。“帰る場所はない”と歌う曲とは相反するように、鴉にとってもファンにとってもライブこそが帰る場所であり、必ず帰ってきたいと切望する場所なのだと感じた。3枚目のシングルとなる『黒髪ストレンジャー』リリース後、再び彼らがライブという場所に帰ってくるのが早くも楽しみでならない。

TEXT:IMAI

メンバー

近野 淳一(G./Vo.)
一関 卓(Ba.)
渡邉 光彦(Dr.)

リリース

3rd Single 『黒髪ストレンジャー』
8/11発売決定!!
TOY'S FACTORY
TFCC-89305
¥1,000(税込)

オフィシャルサイト

http://www.karasu.in/

音源試聴